Blog

昭和の雰囲気漂う街 ”黄金町” へ行って思い出したこと

kogane

かなり前のことだけど、横浜の黄金町にあるシネマジャック&ベティという旧い映画館へ行った。

この映画館は独立系の映画を、時期的に少し遅いタイミングで上映することが多いのでたまにひとりで足を運ぶ。

このときは

「ニンフォ・マニアック」

という、ラースフォントリアー監督、シャルロットゲンズブール演じるヤリマン女が主人公のダークな作品を観た。

映画を観終わり、余韻に浸りながら駅へ向かって暗い夜の街をひとり歩いていると気分はまさにダークネス。

当初は映画のダークな世界観を気持ちの中で引きずっているのかと思ったけど、なんだか周囲の様子が妙だ。

周囲を見渡すと、街の雰囲気が妙にダークで心地良い。

なんだかダークで異様な雰囲気な世界と、真新しく洒落た空間が同居しているのが面白くて、映画を観たあとに1時間ほど散策してみた(写真をたくさん撮ったのに消しちゃった・・)

 

面白いなぁと思いながら、別の日の昼間にも行ってみたらまたボロボロの風俗店の残骸なんか残っていたり、古くて異様に狭い部屋が集まったアパート一棟が呑み屋の集合体になっていたりする。

街の雰囲気が独特で、映画を撮るならこんな雰囲気の中でやったら面白いなぁと、撮る予定も無いのにロケハンを気取りながら写真を撮っていて気付いた。

あ・・・ここって、昔”ちょんの間”があったところじゃないか・・・

ちょんの間とは、戦後の青線、赤線の時代からの名残りでの風俗店で本番行為有りが特徴の風俗店。

「ちょっとの間楽しむ」ということから「ちょんの間」という名称になったらしく、差別的な用語ではないようだ。

かれこれ15年くらい前、確か20代の頃に大学の親友が

「横浜の”ちょんの間”に行こうぜ」と言い出した。何のことだかわからずに訊ねと

「要は本番ありの風俗街だよ。」

確か「価格が安い」とか言っていたような気もするけど、そのへんは記憶が定かではない。バンに5〜6人乗せて行ってみると、息をのむような異様な光景が拡がっていたのが今でも脳裏に焼き付いている。

現地に着くと街の灯りは消え、暗い中を素行の悪そうな男たち(電灯の無い暗い風俗街の中で、月明かりだけに照らされた男の顔はたいてい素行が悪そうに見えるのだと思う)でごった返していた。

人は密集していて「祭り並み」のにぎわいなんだけど、灯りがなく真っ暗。旧くて狭い木造の建物に囲まれた路地裏のような場所には男しかいない。

もちろん祭囃子も威勢の良い声もなく、月明かりだけに照らされた暗く異様なほど静かな狭い路地の中を大量の男たちが彷徨っている異様な光景に妙にワクワクした。

友人曰く

「この直前に大がかりな取り締まりがあり、一帯の店はほとんど摘発されてしまった。」

とのことで、そのせいで街の一画がもぬけの殻状態になっているようだった。

旧く狭い平屋の木造の建物には人の気配は無く、路地のなかをゾンビのようにひたすら行ったり来たりしていると、平屋の前にちょっとした人だかりが見える。近付くと、人だかりの奥には引き戸が見えて、戸の隙間から光が漏れていた。

隙間から中を覗いてみると女性の背中が見えた。確か外国人女性だったような記憶もあるけど、そのへんも定かじゃない。

摘発の難を逃れた数少ない店舗がほそぼそと営業していたのか、摘発された事実を知らずに出勤してきた女性だったのかはわからないけど、心に残る幻想的な光景。

「こりゃダメだな。メシ食って帰ろうぜ」

少しホッとしながら車に乗って再びドライブを楽しんだのは今となっては良い思い出でもある。

ほぼ15年が経過して、その場所が何処だったのかずっとわからなかった。それが黄金町の街の中を歩いていてふと記憶が蘇ったので、記憶と照らし合わせて当時の光景に一致する場所を探してみたけど見つからなかった。

記憶の中の幻想的な光景は、たぶん時間経過と共に姿を変えているだろうからそれほど当てにはならない。

おそらくあの場所は黄金町だったに違いないと思うけど、当時の自分の記憶と現在の目の前の景色が一致しないとどうにもスッキリしない。

 

ちょっとだけモヤモヤを抱えながら帰って調べてみたら、黄金町についてはこう記載されていた(Wiki調べ)。

 2009年(平成21年)の「横浜開港150周年」に向けて街のイメージアップを図るため、2005年(平成16年)1月11日より、「バイバイ作戦」と名づけられた警察による集中的な摘発がはじまった。機動隊の大型車両で突然乗り付けた多数の警察官が地区内へ突入し、風俗嬢らが叫び声を上げる中、大規模摘発が行なわれた[9]。同年4月、県警は近くの町内会館や京急高架下に「歓楽街総合対策現地指揮本部」設置して監視を続けた[9]。この結果同年8月までに全店が閉店した。

”2005年に摘発が始まって、同年に全店が閉店”ということは時期的に一致しているから、やっぱりあの光景も黄金町のものだったと思われる。

ということは、あの幻想的な光景も永遠に見ることは出来ないと思うと、なんとも言えないノスタルジックな気持ちになるなぁ。

関係ないけど、以前に黄金町で観た映画「ニンフォ・マニアック」の予告編を↓

「関係ない」と思ったけど、どことなく共通しているところもあるような・・・

 

 

Youtubeチャンネルもチェック↓

関連記事

  1. img_20161129_000227 はじめまして、FT女子です
  2. goodbysummer 「グッバイ・サマー」ヒリヒリと痛い青春ロードムービーが9/10よ…
  3. BackLashFullBlogTitle BACKLASHを追った長編ドキュメンタリー完成!
  4. account 「ヤバいですよ、このアカウント閉鎖されますよ」突然来た警告
  5. 仲間との時間
  6. okinawa_sky2 子どもの感性を育てるために映画をみせてみた
  7. eyecatch このサイトの今後と自分の好きなもの
  8. okinawa_sea 「自分で選ぶ」ことについて

おすすめ記事

motown_locohama 2020年にYoutubeでたくさんの再生回数を稼ぐ / チャンネル登録される動画とは

このサイトでは「旧いバイク好き」な運営者が色々な旧いバイク乗りの人たちのドキュメンタリーを撮って…

BackLashFullBlogTitle BACKLASHを追った長編ドキュメンタリー完成!

時は遡り、去年(2019年)の秋口に撮影したレザーブランドBACKLASHのスタッフ笹森さんとオ…

yakei 「迷惑なことはやめよう」の落とし穴(前編)

YouTube上に映像をアップしていると、たくさんのコメントを頂きます。もちろんその殆ど(感覚的…

opening カッコいい映像を撮る方法と映像撮影技術の発展

最近、映像制作の世界が激熱だ。あくまで個人的に感じている話だけど、皆に観てもらえる映像を大き…

okinawa_sky3 こんなふうに生きてみたい

これまでにこのサイトでたくさん撮ってきたショートドキュメンタリー映像。その殆どは「バイク乗り」た…

sambnail2 Hot Rod Custom Show 2019インタビュー映像第1弾

先日記事にしたロッドショーのインタビュー取材映像をアップしました。YouTubeにアップされ…

junonBoy チャンネルに出演してくれた若者がグランプリ受賞

ちょっと古い話になるけど、夏にイベント取材で行ってきた「オートジャンボリー2019」。ここで…

GoodByTV 「さよならテレビ」テレビ局が作った挑発的なドキュメンタリー映画

「さよならテレビ」闇営業、ジャニー喜多川氏の死去などテレビ業界は衰退の一路を辿っていることは…

okinawa_sea 様々なプロジェクト立上げ進行中

中途半端に色々なことに手を出す。これはどちらかと言うと良くないことだというのは幼少期の頃には…

HRCS2019 ホットロッドカスタムショー2019での取材と映像編集について

今年も行ってきたホットロッドカスタムショー2019。今回も去年と同じようにオワイナイトのタク…

Business

  1. YuAndGifu
  2. business
  3. motosuko
BackLashFullBlogTitle
  1. before_start2
  2. chiinEye
  3. Triumph
  4. 350ss
  5. eye
  6. impara_eye
PAGE TOP