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「パターソン」ジム・ジャームッシュ監督新作

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ジム・ジャームッシュ監督最新作品「パターソン」が8/26より公開中!

 

1989年にジャームッシュ監督作品「ミステリートレイン」に主演した永瀬正敏氏も友情出演している。ハッキリと申し上げるとストーリーなんかどうでも良いくらい、ジャームッシュ監督作品は最高に面白いので是非観てほしい。

 

今さら「ジム・ジャームッシュ作品良いよ!」なんて、今になって「ビートルズ良いよ!」と薦めるのと同じくらい野暮なものだけど、もし知らずに過ごしているとしたら余りにももったいない。

 

 

ここ10年ほどで日本で「ユルい」という概念が一般化したのも、「海辺のカフェを舞台にした日常的、等身大の日本映画」が増えたのも、もとはといえばこのジム・ジャームッシュ監督作品郡による影響であると勝手に確信している。

 

筆者がジム·ジャームッシュ監督作品を初めて観て衝撃を受けたのは高校生のとき。

 

その頃まで映画といえば豪華で派手な演出と、意外性に富んだ奇想天外なストーリーが面白さの決定打になると思っていた。その考えを一蹴してくれたのがジャームッシュ監督による1984年制作の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」だった。

 

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ストーリーには意外性も派手な演出も一切無い。ダメで冴えない主人公3人が冴えない日常を展開させていくが、事件らしい事件は殆ど何も起こらないのである。

 

それなのに約二時間画面に釘付けになり、退屈なシーンが全く無いこと自体が当時は衝撃的だった。大いに笑い、夢中にながら間違い無く100回以上は繰り返して観ている。

 

とにかくジャームッシュ監督作品の映画は全体にユーモアがあり、優しい。

 

それを象徴するようかのような、永瀬正敏氏が「ミステリー・トレイン」に出演した時のエピソード。

 

撮影がクランクインすると、永瀬氏は毎朝ジャームッシュ監督のアパートへ行き、上の階の窓からジャームッシュ監督が鍵を外に投げてくれるようなこじんまりとした撮影現場だったそう。現場ではジャームッシュ監督は永瀬氏のことを「アール」と呼んでいたのだとか。

 

そして永瀬氏にとってこの映画の撮影は、特別なビッグイベントがあった。

 

それはクラッシュのボーカリストであるジョー・ストラマーとの共演。

 

永瀬氏はこの映画でジョー・ストラマーと会えることをこの上なく楽しみにしていたそうだが、スケジュール上の都合で最終的には叶わなかった。そのことを気にかけていたジャームッシュ監督は、こんなシーンを用意した。

 

それはストラマー演じるエルビスが泥酔しながら、トラックを盗もうとするシーン。そのシーンでストラマーはこんなセリフを放つのである。

 

「アールの車を拝借しようぜ」

 

アールという人物は、この映画には一度も出てこない。映画を観ている側も、映画の中の登場人物たちも一瞬「?」となる。(共演でチャーリー役のスティーブ・ブシェミは「アールって誰だ?」と返す)

 

これはストラマーと共演するのを楽しみにしていた永瀬氏を気遣い、セリフの中でだけでも共演を果たすというジャームッシュ監督のはからいだった。しかも永瀬氏だけがわかるようにプレゼントしたのだ。

 

永瀬氏はこれを映画を観て初めて知り、ジャームッシュ監督の優しさに感激したと語っている。

 

あれから約30年が経過した今、再び永瀬氏は「パターソン」でも出演している。

 

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ジム・ジャームッシュ監督が敬愛する日本人

 

そんなジムジャームッシュ監督だが、ジャームッシュ監督に大きな影響を与えた日本人映画監督がいる。

 

その監督こそ小津安二郎で、「東京物語」「茶の味」など庶民の日常を優しく描いた作品で知られる。ジャームッシュ監督の作品の中でもセリフの中に小津安二郎へのオマージュを散りばめるくらい影響を与えた日本人監督。

 

「パターソン」でも、注意深く見ていれば小津監督へのオマージュが散りばめられているかもしれない。

 

ジム・ジャームッシュ監督最新作「パターソン」は8/26より全国ミニシアターにて上映中!

 

 

 

 

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